かっこE
Comlex誌の10 New NY Rappers To Watch Out Forにも選ばれていたDyMe-A-DuZiNが2012年の年末に出すミックステープからの先行シングル。この名前なんて読むんだろ。
コンプレックスの特集にもあるように最近ニューヨークのラッパーが息を吹き返しつつある。あまりちゃんと把握はしてないのだけど、A$AP Rockyあたりからルネサンスが顕在化してきた印象。注目すべきなのは、インディロック界隈で流行りのドリームポップや、ヒューストンに端を発するスクリューの要素が色濃く含まれたA$APの曲が示すように、かつて90年代前半に一世を風靡した「これぞ東海岸!」なサウンドを感じさせるニューヨークのラッパーはわりと少ないということ。そもそも20年も前の流行りのサウンドを今やらないのは当たり前じゃんって気もするけれど。
これは東海岸だけじゃなく西海岸についても言えることで、ようするに、もともと極めてローカルなものだったヒップホップ音楽から地域性が失われる傾向があって、例えばNYでダーティサウスなんかをやったとしてもまっとうに評価されうる雰囲気があるように感じる。
2曲目にはさっそく“Halcyon + On + On”をやったりして、出し惜しみなしの常時フルスロットル展開。ここまでのアクトとはまるで違うスタジアム映えしそうな豪快な曲が次々繰り出されて圧巻だった。“Satan”は世界大戦やファシズムを題材とした映像がスクリーンに流れ厨二感満載ながらもかっこよくてズルい。“Chime”ももちろんやったし期待以上の凄さだった。あ、もちろん例の電飾メガネつけてました。
そもそもこの曲が収められてる“Give Me My Flowers While I Can Still Smell Them”も同じように去年発表して速攻で削除した作品の正規リリースらしくて、こんなにいい曲がゴタゴタのなかに埋もれてるかと思うともったいない。
だからこうやってちゃんとフィジカルリリースしてくれるのはありがたい。ついでに "No York" もアナログで出して欲しい。
このジャケットのでかいやつが欲しいだけなんだけど。木村恒久のモンタージュに y 貼りつけただけでなんでこんなにカッコよくなるんだ。センスよすぎる。
Lil Wayne率いるYMCMBことYoung Money Cash Money Billionairesや、Tyler, The Creator率いるOFGKTAことOdd Future Wolf Gang Kill Them Allなど若手のラッパーを中心としたコレクティブが台頭してるわけだけど、このMeek MillもRick Ross率いるMMGことMaybach Music Groupの構成員の一人らしい。というかこの文の間延び感尋常じゃない。名前なげーよ。